視覚障害者がPCを使うにはスクリーンリーダーという画面読み上げソフトを入れる必要があります。
厳密には画面の読み上げだけでなく、情報の入出力のありとあらゆる場面でパソコンの利用をアシストしてくれます。
国内では主に三つのスクリーンリーダーが用いられています。
一つは高知システム開発のPC-Talkerです。日本製ということもあって、国内では圧倒的なシェアを誇っています。特に同じ会社から出ている各種ソフトと併用することで、その強みが最大限発揮されるのが特徴です。
二つ目はエクストラ社が販売しているJAWS for Windowsです。JAWSは Job Accessibility With Speech の略であることからも分かるように、。就労など専門的な使用に強みがある反面、場合によっては不必要なほど高機能で高価なのがデメリットです。
そして三つめはフリーウェアのNVDAです。オーストラリアの非営利団体 NV Access が開発した本家版を日本語チームが独自にカスタマイズし、無料で配布しています。
この三つにはそれぞれのメリットとデメリットがあり、最終的にどれを選ぶかは個人の自由です。
しかし私はこの中でも特にNVDAの利用を強く勧めています。
NVDAのメリット
私が考えるNVDAのメリットは下記のとおりです。
(1)Microsoft OfficeやGoogle Workspaceなど一般に広く用いられているアプリケーションやサービスに対応している
(2)高機能かつ拡張性に優れており、初心者から上級者まであらゆるニーズに対応できる
(3)全ての機能を無料で利用できる
最も大きいのは、高機能でありながらも「無料」で利用できるという点です。
PC-TalkerであれJAWSであれ、ソフトを利用し続けるコストはかなり高額となり、それが0にできるというのはFP的にも見逃せないポイントです。
私は以前はJAWSを利用していましたが、最新版の機能を維持するには毎年数万円のコストが必要でした。
それも必要経費と割り切っていましたが、NVDAと出会ってからはそのコストを完全にゼロにできたおかげで、余剰資金を別の使途に使えるようになりました。
しかし、「安かろう悪かろう」という言葉があるように、無料だと機能が不十分なのではないかと心配される方もいらっしゃるのではないでしょうか。
その点については、10年以上NVDAをメインのスクリーンリーダーとして使ってきて、全く不便を感じていない私から、その心配は無用であることを断言できます。
NVDAのデメリット
一方、デメリットについてはどうでしょうか。
個人的に目立ったデメリットはないと感じていますが、あえて挙げるなら以下のようなものになります。
(1) 多機能すぎて、特に初心者には何から学べばいいのかわかりにくい
(2) 有料のソフトウェアと違い、手厚いサポートを受けられない
(3) 利用は自己責任
問題はNVDAそのものにあるのではなく、NVDAを使いこなせるようになるまでのルートが必ずしも整備されていない点にあります。
そのため、特に初心者の方には「NVDAは使えない」という誤解を生じているのです。
NVDAは使えないどころか、うまく使えば他の有料ソフトと変わらない、あるいはそれ以上の使い方ができる優れものです。
そして初心者の方にとっても、コツさえつかめば手軽に使えるソフトでもあります。
NVDAを普及させたいとの思い
私は、NVDAが正しく評価されていない日本の状況を非常に悲しく感じています。
それが本事務所でFPサービスと並んでNVDAのレッスンを精力的に行う理由でもあります。
無料かつ高機能なNVDAは、間違いなく視覚障害者の自立と社会参加、ひいては経済的ゆとりを後押しする強力なツールとなると信じているからです。
私は本家NV Accessが提供しているNVDAの公式認定資格を取得しています。
長年にわたるNVDAの利用経験と資格に裏付けられた確かな知識をもとに、他ではないNVDAのレッスンを皆様にご提供いたします。
NVDAは決して難しくありません。その魅力を知って、ぜひNVDAと友達になりましょう。
レッスンのご希望はお気軽にお問合せください!
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